今回の記事では、鈴木裕介著「メンタルクエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本」の書評を紹介したいと思います。
- 周りの人の顔色をうかがってびくびくしてしまう
- 思うように仕事の成果を出せない自分が許せない
- 恋愛でいつも同じような失敗をしてしまう
- 他人に本心を打ち明けることが怖い
- 自分のつらさをわかってくれる人が誰もいない
この本を読めば、あなたの心をほぐす”ヒント”が詰まっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
「メンタルクエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本」の感想

「メンタルクエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本」では、現実世界の生きづらさから抜け出すための「攻略法」をゲームのクエスト(冒険)になぞらえて、紹介されています。
これまでにマインド系の自己啓発本は数多く出版されていますが、専門的な言葉が書き連ねてあって頭に入ってこなかったり、堅苦しい内容で余計に気持ちがずーんと落ちてしまった・・・という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
こちらの本は、「人生はRPGに似ている」という著者の考え方をもとに内容が構成されていますので、ゲームの攻略本のようにスラスラ読めます。
そして、まったく堅苦しくない内容にも関わらず、生きづらさから抜け出すための「ここテストに出ますよ!」といわんばかりのヒントや名言がザックザク盛り込まれています。
「ゲームの難易度でいうと、人生はハードモードだ」
「なんだか生きづらいなー」
と思っている方に、ぜひ読んでもらいたい一冊です。
メンタルクエストをすこーしだけネタバレします
「メンタルクエスト」に書かれている内容をすこーしだけネタバレしちゃいます。
内容に興味が沸いたら、ぜひ本書を手にとって読んでみてくださいね。
バイオハザードな世界はあなたのせいじゃない
一般的に人間の世界観は、人生の初めのほうに触れ合う、ごく少数の他者によって作られるそうです。
その中でも一番影響力があるのは家族、特に親の存在だと推測されており、それはくじ引きと同じで選びようがなく、また抗いようがないものとのこと。
自分のスタート地点にいた大人たちが、気分屋だったり、暴力的だったりと「安心を与えてくれない存在」であったとき、本書では子どもにとって予測がつかない「バイオハザード」の世界になると表現されています。これは、個人の問題ではなく、「初期設定」のバグのようなものと記されています。
そのような環境で生きる人は、対人関係で必要な「スキル」を得られず、他人が怖くなるという悪循環に陥ります。
自分の予測や感覚が信じられない危険な世界の中で、安全を確保して生き抜いていくためには、他人のニーズを満たし続けることしかなく、それは結果として「他人の人生(クエスト)を生きる」図式が成り立ってしまいます。
これが人生ハードモードの理由となっているカラクリだ、と著者は結論づけています。
バイオハザードな世界は、決して「あなた(自分)のせいではなく、環境によるシステムエラーであることが事実だ」という一文に、育った環境は自分が悪くしていたと思っていた私は、ふっと肩の荷が下りました。
得るべき仲間は「白魔導士」と「黒魔導士」
生きづらさからの回復の旅に、仲間は必要です。ゲームにおいても、冒険を始めた主人公はレベルが低くて打たれ弱いため、すぐピンチになってしまいます。
そうした状況を安定されるためには、回復魔法(白魔法)の使い手が必要不可欠だそうです。
言い換えれば、「白魔導士」=どんな時でも味方でいてくれる、安心を提供してくれる人のこと。
本書では、「白魔導士」の見つけ方や、レアキャラである「黒魔導士」の特徴・付き合い方なども紹介されています。
いよいよ、本格的にゲームの攻略本らしい内容で、自分の人生をRPGとして生きていける準備が整ってきましたね。
人生とRPGの違い
本書では「人生はRPGに似ている」と表現されていましたが、ひとつだけ大きく違う点があり、それは人生には用意された「正解の選択肢」が存在しないことだそうです。
生きづらい人は、自分の選択に不安や後悔を抱えていて、多くの人が「正しい」と考えるであろう選択をしがちです。しかし、前述のように正解には選択肢が存在しないため、いつまで経っても自分の選択に納得できないままの状態が続くとのこと。
人生の主導権を放棄せず、「自分で決めた」と思えることを少しでも増やしていくことが自分のクエストを生きることになり、それが人生の納得感を高めるヒントになってほしい、と著者の強いメッセージが記されています。
「メンタルクエスト」著者の鈴木裕介さんについて
「メンタルクエスト」の著者の鈴木裕介(すずきゆうすけ)さんは若手医療職のメンタルヘルス支援やコンサルタントとして経営視点から医療現場の環境改善に従事されてきた、メンタルヘルスのプロフェッショナルの方です。
2018年からは「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトとした秋葉原内科saveクリニックの院長に就任され、産業医活動や講演、SNSでの情報発信を行い、精力的に活動されているそうです。
好きなゲームはドラゴンクエスト3、ロマンシングサガ2・3、スプラトゥーン2(使用武器: NーZAP85)などだそうで、「メンタルクエスト」はまさにゲーム好きな先生らしい著書ですね。
メンタルクエスト書評のまとめ
今回は「メンタルクエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本」の紹介でした。
ハードモードな人生をラクにするヒントがちりばめられており、とても参考になる本でした。
バイブル本として手元に持ち続けたい一冊です。
この本を道しるべに、”いっぱいいっぱいな自分”を、そろそろ楽にしてあげたいですね。
闇の世界に生きる冒険者たちに、どうか光があらんことを・・・
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